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対相手を意識したコーチング。「ビーチバレーボール指導者スキルアップ研修会」を開催

2024.01.22

 ビーチバレーに携わる指導者のスキルアップを目指す「2023年度ビーチバレーボール指導者スキルアップ研修会」が1月21日、神奈川県横浜市の公文国際学園中等部・高等部で開催された。

 これまで指導者向けの研修会といえば、日本ビーチバレーボール連盟(JBV)が国民スポーツ大会(前国民体育大会)開催予定地域を含めた各地方で開催を行ってきた。しかし、新型コロナウイルス感染症対策のため、2020年度、2021年度と2年間は開催中止。昨年は3年ぶりに福島県と滋賀県での2ヵ所で開催し、今年はオフシーズンに愛知と神奈川で開催予定だった。

研修会の参加者と講師、モデル選手たち

 愛知の開催は場所と講師の都合が付かず開催中止となったが、神奈川においては雨天に見舞われたものの、場所を体育館に移して開催された。今回の講師はJVAビーチバレーボール強化委員の渥美善博氏。参加者は遠方からは今年国民スポーツ大会が開催される佐賀、広島などから8名が参加した。

 主催である日本バレーボール協会(JVA)とJBVの指導普及を担当している石川雅道氏は、「各地方でアンダーエイジの大会が定着してきました。関係者のリクエストも踏まえると、次のフェーズとして指導できる人間を増やすこと、内容の濃いコーチング方法を伝えていく段階に入ったと感じています。今回からコーチの『スキルアップ』という意を込めて研修会のタイトルを一新しました」

 指導者の層を厚くすること、その底上げは今後、ますます重点的に取り組んでいかなければいけない分野だ。研修会では、各学校の部活動の顧問や外部コーチ、地域のクラブチームのコーチが渥美氏の話に熱心に耳を傾け、盛んに質問も飛んでいた。

今回講師を務めた渥美氏

 佐賀県ビーチバレーボール連盟の理事長兼佐賀県の女子強化も担当してきた春野修司氏は、県全体が国スポに向けて機運が高まっていると言う。
「選手の選考も始まり、選手たち自身も国スポに向け気持ちが入っていると感じます。その反面、自分自身のコーチングの引き出しを増やしていきたいと思いました。佐賀には高尾和行(元日本代表)さんがいらっしゃるので、定期的に指導していただく機会がありますが、それ以外に質問できるような方は身近にはいませんし、今回のような研修会は九州にはありません。渥美さんは積極的にSNSで練習方法や考えを発信してくださるので、実際の現場で渥美さんが取り組まれている新しいことを学びたいと思い足を運びました。練習の進め方や時間の有効な使い方など勉強になりました」と収穫を口にした。

雨天のため体育館で開催された

 今回JVA/JBV主催の研修会で講師を務めた渥美氏は、「今回のコンセプトは、指導する側の考え方、考え方の幅を広げるという点に重きを置いて行いました。バレーボールは相手が自分のコートにいないため、なかなか対相手のことを考えにくい競技特性があります。相手を想定したアプローチ、相手がやりにくいことなどを意識した練習法などを紹介しました。もちろん捉え方は参加者の皆さん次第ですが、ぜひ一度はチャレンジしてほしいですし、普段の練習で意識してもらえればいいですね」と感想を述べた。

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