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ナショナルの答え合わせ ~連載第3回 それぞれの想いを抱えて~

2024.06.20

 6月21日、いよいよ強化の節目となる「2024コンチネンタルカップ パリ五輪アジア大陸予選第3フェーズ」が幕開けする。決戦の地となったのは中国・寧波市。2023年9月から始まった第1フェーズ、第2フェーズを突破した男女各8チームでパリ五輪たったひとつの枠を争うことになる。

 男子においては、開催国の中国、前回優勝国のオーストラリア、イラン、カタール、ニュージーランド、インドネシア、そして第2フェーズを突破したオマーン、我らが日本という面々が揃った。第1フェーズで2位だった日本は、本来第2フェーズに出場予定だったが、1位だった中国が開催国となったため繰り上がりで第2フェーズ免除、第3フェーズ進出となった。

 日本男子チームの前に立ちはだかるのは、第1フェーズで全く歯が立たずに敗れた中国、日本の国内ツアーでも力を示している大型のオーストラリアやニュージーランド、近年進化を遂げているイランら。とくにイランは、身体能力の高さに加えて技術力も向上、成長を見せている。国際大会の結果を見ても、厳しい戦いが強いられることは間違いないだろう。

ジャンプセットを習得した池田 photo/AVC

 そんな中、新ペアとして期待したいのは、今シーズンから結成し存在感を見せている髙橋巧/池田隼平組。始動してからというもの、世界のスタンダードになりつつあるフェイクモーションからのセットおよびスパイクの習得を目指しトライしてきたと話す。
「大型チームに対抗するため、高いブロックに囲まれてしまわないように、ジャンプトスを多用してチームプレーで戦っていく」と髙橋。国内では大型でも国外では中型クラスになる池田は、最高到達点でギリギリまでトスか攻撃かわからない動きを入れてブロッカーを翻弄させていく。大会直前の取材では「プレーの再現性をもっともっと高めていきたい」と意気込みを述べていた。

 髙橋は2016年、2021年に続いてコンチネンタルカップは3回目の出場。池田は、前回リザーブメンバ-としてチームに帯同した。
「前回はコロナ禍で声を出せなかったので応援もできず、今回が初めて出場する気持ちでいます。もちろん緊張はしますが、『出場権を獲得する』、それだけを考えて臨みたい」と決意を固めていた。

 女子は、開催国・前回優勝国である中国、カザフスタン、レバノン、ニュージーランド、タイ、インドネシア、バヌアツ、日本の8ヵ国が第3フェーズに出場する。

近年力をつけてきたタイ(ネット向こう側)photo/FIVB

 メンバーは2016年に準決勝進出を果たした石井美樹、2021年に史上初の決勝進出を果たした長谷川暁子、当時リザーブだった橋本涼加、村上礼華の4名。
 3年前は、1回戦でバヌアツ、準決勝でタイを破り、決勝戦は中国に敗れ涙をのんだ。しかし、そのとき勝利したタイは、瞬く間に進化を遂げ当時のタイとは別物だ。
 アンダーカテゴリーから羽ばたき、成長を遂げてきた大型のWorapeerachayakorn、同じく2021年にベテランと組み出場していたTaravadeeのペアは、この3年でアジアのトップクラスに上り詰めた。橋本は言う。

「ビーチプロツアー、アジアツアーでもコンチネンタルカップを想定して大型チームと戦ってきました。タイにはしっかり勝って、まだどこも勝ったことがない中国を倒したい。コンチネンタルカップは、自分だけではなく日本全体で戦うもの。他の大会とは全然違います。自分が求められている高さ、観察力で勝利に貢献していきたい」

3年前はリザーブメンバーだった村上

 過去のコンチネンタルカップで悔しい想いをしてきた石井、長谷川、髙橋。前回はリザーブだったが、今回は選抜メンバーとなった橋本、村上、池田。そして新たに出場権獲得に挑む黒川魁、寛輝ディラン、福嶋晃介、安達龍一。それぞれの想いを抱え、目指してきた答え合わせの結果はいかに。

~連載第4回に続く~

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