2025.09.10
「わたSHIGA輝く国スポ バレーボール競技 (ビーチバレーボール種目)」最終日が9月9日、滋賀県長浜市豊公園自由広場特設会場で開催された。2コートで5-7位決定戦、3-4位決定戦、決勝が行われ、男子は佐賀、女子は京都が優勝。佐賀、京都ともに正式競技になってからともに初優勝で、8月の全日本高校選手権から2冠を達成した。
男子は準決勝で宮崎をフルセットの末破り決勝に進んできた愛知と、優勝候補筆頭として乗り込んできた佐賀の対決となった。
第1セット序盤から佐賀が主導権を握る。「高校選手権の後は攻撃のバリエーションを増やす練習を徹底的にやってきた」と菰田颯太(佐賀商高)が言うように、強打だけではなくいろいろなコースにショットを仕掛けていった佐賀。愛知は守備の的を絞り切れず、波に乗り切れないまま、第1セットは21-13と佐賀が先取した。第2セットも終盤、なんとか流れを引き寄せたい愛知だったが、佐賀の堅いディフェンスに対し、なかなか突破口を見出せない。21-18と佐賀が2-0で勝利し、国スポ初優勝を飾った。
地元のSAGA国スポで入賞することができなかった悔しさを滋賀の地で晴らした佐賀。「点数的に感じられないかもしれないけど、どの試合もメンタル的にきつかった。どんなにきつくても、パートナーを信じてやってこられたのが勝因だと思う」と菰田は戦いを振り返った。大会を通じてネット際で抜群の存在感を発揮したブロッカーの立石大和(佐賀商高)も「自分のいいところを出せてよかった」と納得の表情を見せていた。
女子決勝は福井、山形をフルセットで勝ち切り、苦しい戦いを制して勝ち上がってきた京都と、全国大会初出場でありながらも勝ち上がってきた福島の対戦となった。
福島は序盤から京都の司令塔でありレシーバーの橘柚希(福知山成美高)をサーブで狙っていくが、橘はしっかりサイドアウトを切っていく。「身体に疲れはあったけれど、サイドアウトを一発で切ることができて体力消耗を抑えられた」と橘。福島の強打、ショットを見定め、次々にボールを上げていく。迷いが出始めた福島の攻撃を身長172cmの井上歩美がしっかりネット際で抑えるなど、一気に流れを引き寄せた京都は、第1セットを21-15で先取した。
第2セットも京都が終始リードを奪う展開となった。「自分たちがやろうとしたことに相手が対応してきて、次は裏を突かれるというその繰り返しだった。相手がやってくることに動きを合わせられず、京都は2人とも上手かった」と福島の舟山葵/髙野愛菜(ともに聖光学院高)組。井上の高さと橘のゲームメイク力がかみ合った京都は、そのまま21-17と第2セットを奪い、優勝を決めた。
「相手の特徴を見てその都度、作戦を考えて戦ってきた。決勝戦でも前方を狙って拾われ始めたので、その後は強打で攻めていった。作戦が相手に効いていたと思う」と満足気に語った橘は、マドンナカップから2度目の日本一をつかみ取った。
バレーボール強豪校の京都橘高所属で今大会注目を集めていた井上は、「決勝戦は立花さんが狙われたけど、自分はネット際にトスを寄せることができて、しっかり打ち切ってくれた。ビーチバレーはどちらかが狙われる競技。それを2人で乗り越えられるか、が問われる。国スポを通して気持ちの部分ですごく成長できたと思う」と笑顔を見せた
来年は「青の煌めきあおもり国スポ」が2026年9月3~6日、青森県青森市サンセットビーチあさむし特設会場で開催される。
撮影/小崎仁久
INTERVIEW/COLUMN、MOVIE、PHOTO GALLERY、
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