2025.05.08
2025年11月15日~26日、東京都内と他都市で『東京2025デフリンピック』が開催される。「デフリンピック」とは耳が聞こえない、聞こえにくいアスリートを対象とした4年に一度開催される国際スポーツ大会。国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が主催し、東京大会は日本で初めて開催となり、100周年を迎える。
全21競技が行われ、ビーチバレーもそのひとつ。本大会に出場する内定チームを決定する『東京2025デフリンピック 日本代表候補選手選考会』が4月26日、27日の2日間、本大会でも会場となる大森ふるさとの浜辺公園にて行われた。
日本代表候補の枠は男女各2チーム。男女各5チームが出場し総当たりリーグ戦 を行い、1位、2位チームの出場内定が決まった。
男子は国内最高身長を誇る今井勇太/瀬井達也組が高さとパワーでライバルを一蹴。全勝対決となった若手の寺井捺貴/山本将隆組との直接対決も2-0で制し、優勝に輝いた。
今井は「自分たちの高さを活かし、ミスを押さえることができたのが勝因。本大会まで時間があるとは言えないけれど、2人で技術を積み重ねてメダルを穫りたい」と抱負を述べた。
前々回(2017年トルコ)では9位タイ、前回(2021年ブラジル)では13位タイとデフリンピックに出場経験のある42歳のベテラン・瀬井は、「本大会では1本目のプレーの精度を高めて、3本目の攻撃につなげて確実に点を取る姿を見せたい」と言葉に力を込めた。地元開催のデフリンピックで初のメダル獲得を狙いたいところ。
女子は、高校3年時から結成した同級生ペアの伊藤碧紀/堀花梨組と、ペアを組んだばかりの境出ゆきえ/八木沢美穂組が、頭ひとつ抜き出た力強いプレーで白星を重ねていく。全勝同士の最終決戦では、両者一歩も引かない好ゲームが展開された。
第1セットは境出/八木沢組の高さが爆発。強打で流れを引き寄せた境出/八木沢組が21-12と先取した。第2セットは伊藤/堀組が変幻自在のサーブで境出/八木沢組の高さを封じ込め、21-15と奪取。最終セットは、緊迫した場面でも落ち着いたプレーで試合を進めた境出/八木沢組が先行し、15-8と決着をつけた。
2024年下期強化メンバーだった境出の経験値と、今年新たにペアを組んだ八木沢の高さがうまく噛み合った。
粘り強いプレーを随所で見せた境出は、「ペアを組んだのは1ヵ月前。組んだばかりだったということ、私自身の足の調子が悪かったことなど不安はあったけれど、八木沢さんがサポートしてくれて気持ちが折れずに挑めた」と勝因を語った。
準優勝に終わった伊藤/堀組は、優勝候補にあげられていただけに試合後、悔し涙を流した。伊藤と堀は「風に左右されてしまった。今は悔しいけど、本大会に向けて課題を改善していって自分たちの最大限のプレーが出せるように練習やトレーニングに励んでいきたい」と、気持ちを切り替えた。
男女各2チームは6月21日、22日、大分市祝祭の広場で開催される国際親善試合に出場。11月の本大会に向け、強化を図り活動していく。
撮影/平野敬久
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