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クラブチームとして産声をあげた「BEACH TOKAI」<第1話>

2026.04.20

 2026年4月。愛知県にひとつのビーチバレーのクラブチームが誕生した。その名は「BEACH TOKAI」。愛知県のビーチバレー強豪チームとして知られる東海中学・高等学校の選手、OBが母体となり、GMには監督だった富田譲氏が就任した。
 これまで学校スポーツというフィールドでビーチバレーに取り組んできた富田氏は、なぜクラブチームを立ち上げたのか。その経緯といま、これからを聞いた。

始まり
「BEACH TOKAI」の前身である東海中学・高等学校バレーボール部は、日本の中学ビーチバレー界の創世期時代からビーチバレーに取り組んできた数少ない学校である。 
 日本で初めて中学生の全国4人制大会となった「湘南藤沢カップ」に第2回大会から出場。その頃から富田氏は当時から先々を見据えてこんなふうに語っていた。

クラブチームを立ち上げた富田氏

 「小学生バレーをみると週1回の練習でも子どもたちはどんどん吸収して上手くなっていきます。ビーチバレーもスタートラインを早めることで、どこまで中学生や高校生が成長するのか、可能性を引き出してみたいと思っていました」

 中学高校の6年間というスパンでジュニア期の強化がどう成就するのか。富田氏は定年を11年後に控え、成長していく選手たちの姿をこの目で確かめてみたいと思った。こうして2014年10月、バレーボール部において中高一貫のビーチバレー部門をスタートさせた。

2015年頃の部室の壁
部室にあったホワイトボード

 富田氏はバレーの指導歴は31年あったものの、ビーチバレーの指導は初心者だった。だからこそ、目標を達成するためにも自分自身がビーチバレーを必死に学ぶ必要があった。全日本選手権、国内ツアーへ足を運び、試合観戦を重ねた。専門書も読み漁り、気になる記事は部室に展示することもあった。

実った中高一貫指導
 東海中学・高等学校は、全国有数の進学校として知られている。とくに身体能力が抜群に優れているわけではない。部員のほとんどが、ビーチバレーはおろか、バレーボールさえもやったことがない初心者だ。そして、進学校ゆえに勉強もおろそかにできない。

 だが、創部8年目。2023年には東海中学・高等学校は、愛知県予選を勝ち抜き、初めてジュニア選手権出場を叶えた。さらに翌年2024年には、ジュニア選手権と国スポ、両大会で出場を果たした。

12年連続で講師を務めてきた高尾氏

 進化を遂げていく選手たちを一番近くで見てきたのは、年に一度の講習会で歴代の選手たちを指導してきたプロコーチの高尾和行氏(福岡ギラソール監督)だ。「何よりも私が高尾さんの指導方法を学びたかった」と話す富田氏は、12年にわたって部独自で講習会を設け、高尾氏を招聘してきた。

「きたばかりの時は、片手パス三昧でしたね(笑)。一度、指導させてもらったことを富田先生がしっかり引き継いで教えてくださるので、1年後にくると選手たちはできるようになっている。バレー経験ゼロの選手たちも最初はできなくても、高校生になる頃には別人のように上手くなっていきます」

今年の講習会で指導する高尾氏

 ジュニア早期にビーチバレーの動きをしっかり染み込ませ、6年にわたって経験を積み重ねていく。中高一貫指導をいち早く導入した東海中学・高等学校の取り組みは、選手たちが持っていた可能性を引き出した。

 2023年に初の全国大会への道を切り開いた富田氏は、2024年4月に学校内に川砂を搬入し簡易的な常設コートを創設。今後もさらなる飛躍を目指していく志を持っていた。しかし、富田氏の退職するときは刻々と迫っていた……。(第2話に続く)

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