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王者と王者に挑む者たち。「マイナビファイナル大阪大会」男子最終日。

2021.10.18

「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021 ファイナル大阪大会」最終日が10月17日、大阪府大阪市北区・毛馬桜之宮公園内大阪ふれあいの水辺で開催された。雨模様が心配されたが、ウォームアップ時には雨が上がったものの、20℃という肌寒い空気に包まれた桜ノ宮。ついにツアー6戦目のフィナーレを迎え、男女準決勝、決勝が行われた。

2度目の負け
男子準決勝第2試合は、『王者』に土がついた。今季4勝をあげていた石島雄介(トヨタ自動車)/白鳥勝浩(トヨタ自動車)組が、髙橋巧(ANAあきんど)/マルキナシム(トヨタ自動車)組にフルセットの末、敗れた。

前回の第6戦松山大会では、海風に苦戦を強いられていた石島/白鳥組。今大会においては、「風がいろいろな方向で吹いている会場だった。得点するチャンスもあれば、失点する確率も高かった」と白鳥は振り返る。

男子準決勝。マルキ対白鳥

1セット目は相手に隙を与えず、完璧なゲームを展開。しかし第2セット以降、パスが安定しなかった石島は「1セット目はいい形でとったが、2セット目以降は細かいプレーやミスが勝負を分けたと思う。レシーブとブロックの駆け引きを仕掛けられて、後手にまわってしまった部分があった」と反省を口にしていた。

石島/白鳥組は、東京オリンピック前のツアー開幕戦と代表決定戦で2勝、東京オリンピック後はツアー4勝。紛れもなく王者の力を誇示したが、白鳥は「正直ここまで勝てると思っていなかったし、状況下がその都度変わる中で勝ち続けることは難しいことだと思っている」と振り返った。その言葉どおり、優勝回数は多いが、第5戦都城大会とファイナル大阪大会では同じ相手に2度負けるなど、少しずつ若手勢力が背後に迫ってきていることも事実だ。

白鳥は、11月にタイで行われるアジア選手権の出場も視野に入れているとコメント。来季に向けて、王者の動向がどうなるのか、注目だ。

3度目の決勝進出を果たした髙橋/マルキ組

若手チャンピオンにリベンジ
男子決勝は『王者』を倒した髙橋/マルキ組と、4度目の決勝進出を決めた長谷川徳海(愛媛県競技力向上対策本部)/土屋宝士(恵比寿丸)組の対決となった。

第5戦都城大会の決勝の再現。そのときはベテランを追い詰めた髙橋/マルキ組だったが、この試合ではサーブで髙橋が狙われ、攻守のリズムを保つことができない。長谷川/土屋組が取り組んでいる「ネットの横幅をいっぱいに使ったコンビ攻撃」(長谷川)に対応できず、第1セット19点、第2セット13点と完敗を喫した。

攻守において安定感を発揮した土屋

最大の武器である高さを封じ込められたマルキは「サイドアウトが切れずそこでつまずいてしまうと、ブレイクに円陣がかからない。自分たちはブレイクの場面でブロックを止めたりして相手を突き放すのを勝ちパターンとしていた。サイドアウトを切ることに苦手意識はなかったが、サイドアウトが前提にあってブレイクにつながるのだと実感した。相手はサーブで嫌なところを狙ってくるので、それに対抗するために力をつけていかないといけない」と課題をかみしめていた。

その一方、第5戦都城大会のリベンジを見事に果たし、若い勢力を食い止めた長谷川/土屋組。長谷川は「ネットの幅を使って、長いトスと短いトスを使い分け、そこにジャンプトス、ツーアタックを織り交ぜていく戦術の完成を目指している。決勝戦は有効だったが、まだまだ1本目の質が低いのでスキルを磨いて海外の試合で勝利を目指していきたい」と、今後の目標を語った。

土屋は「今大会で髙橋/マルキ組に勝つことができたけど、白鳥さんとは3回戦って一度も勝てなかった。今大会対戦できなかったけど、今後も戦えるスキルを身につけていきたい」と『打倒・王者』を誓っていた。

※大会日程終了以降の追加取材により、一部記事を変更いたしました。

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