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中学生初の体験会。「東京都中学生ビーチバレーボール体験会」開催。

2021.11.26

中学生バレーボール選手の可能性と将来の選択肢の拡大を目的とした「東京都中学生ビーチバレーボール体験会」が11月23日、東京都大田区にある大森東水辺スポーツ広場(大森ふるさとの浜辺公園)ビーチバレー場で開催された。

基本練習の模様

男女およそ50名の選手が参加し、2人制ビーチバレーのルール、基本的な動き方からゲームで活かせる応用まで細かく指導を受けた。また午前と午後の部の間には、『高校生男子東京都代表組(黒澤孝太/星野歩)対プロ選手組(黒川魁/黒川寛輝ディラン)』のエキシビジョンマッチが行われ、中学生たちは本場の2人制の試合を観戦した。

プレーの説明に耳を傾ける

高校生向けの体験会や講習会はこれまでも開催されていたが、中学生(主に3年)を対象にした体験会は初めてとなった。今回の体験会が企画されたその背景には、2019年から国民体育大会よりビーチバレーボール競技が少年の部の正式競技化されたことがあげられる。

中学生のビーチバレー全国大会は年に一度、2011年から神奈川県藤沢市で4人制の大会が開催されてきたが、ついに今年初めて、愛知県碧南市で2人制の全国大会が開催された。2人制をいち早く経験し、国民体育大会への参加を目標にした高校生ビーチバレーの素地となる土台を作ろうという動きが各地で出始めている。

2人制でのサーブレシーブ練習

今回の東京都で開催された体験会もそのひとつ。なかでもポイントとしてあげられるのは、全国大会優勝7回を誇る駿台学園中男子バレーボール部ら都内の強豪チームの選手たちの姿があったことだ。体験会の発案者であり、アンダーカテゴリーの指導経験もある平野将弘氏(しながわシティビーチバレーボールクラブコーチ)はいう。

「今回は強豪校中心に参加していただきましたが、あくまでもテーマは普及です。中学生の時点でビーチバレーにふれることが選手たちの選択肢を増やし可能性を広げていく。早い段階で入り口を作ることが、国体に向けた有望選手の発掘につながっていくはずです」

エキシビションマッチを観戦する中学生たち

今回の体験会はビーチバレーの普及だけにとどまらない。平野氏は「目指すのはバレーボールとビーチバレーの共存共栄。今後は、入部したばかりでチームに合流できない1年生や部活動を引退した3年生を対象にバレーボールにも役に立つ練習をビーチでするという目的で参加を呼びかけていきたい。ビーチバレーをやることに対してメリットを供給できればと思っています」とビジョンを述べた。

午後はゲーム形式に近い練習を行った

2019年にはいばらき国体ビーチバレー競技で初優勝した共栄学園高のペアが、同年度に開催された春の高校バレーで主力として躍動し3位に輝いた。その活躍以降、東京都内の高校生の予選会や講習会への参加者が増加傾向にあるという。

松野氏の話を聞く参加者たち

東京都のアンダーカテゴリーの指導に携わってきた松野夏生氏(東京都ビーチバレーボール連盟指導普及委員長)も、少しずつビーチバレーボール選手人口増加の手応えを感じ始めている。
「これまで自分が教えてきた指導に関わってきた駿台学園高高校の選手にも『中学時代からビーチバレーをやってみたかった』と話す選手もがいた。先輩や仲間がビーチバレーに携わっているとイメージはしやすい。まだまだ時間はかかると思うが、普及活動を継続していきたい。アンダーカテゴリーから上に押し上げてシニアにつなげていきたい」と展望を語った。

エキシビションマッチのプレーをたたえる選手たち

今回、参加した中学校は男子が駿台学園中、南六郷中、ドルトン東京学園中、東京朝鮮中、VIVAアカデミー、女子は共栄学園中、駿台学園中、大森八中だった。

このような中学生からの土台作りが、今後いかに高校生ビーチバレー界のレベルアップにつながっていくか注目したい。

体験会にはおよそ50名が参加した(撮影中のみマスクを外しています)

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