2024.08.06
「第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)」ビーチバレーボール女子日本代表の石井美樹(湘南RIGASSOビーチバレーボールクラブ)/長谷川暁子(NTTコムウェア)組は、石井/長谷川組は予選プールEで1勝2敗の4ポイントでプール3位。ラッキールーザー・ラウンドにまわり、地元フランスのPlacette/Richard組を2-0で下し、決勝トーナメント進出を決めた。
予選ラウンドの初戦、第2戦を落としたが、あとがない第3戦で「100%に近いプレーができた」(石井)と、過去に白星を挙げたことがないリトアニアに快勝した石井/長谷川組。そこから波に乗り、ラッキールーザーラウンドも「集中力の高さ」(長谷川)で勝ち抜いた。
開催国枠のあった東京五輪をのぞくと、ビーチバレー女子代表が五輪に出場したのは16年ぶり、決勝トーナメントへ勝ち上がるのは、2000年シドニー五輪以来、24年ぶりのことである。
8月5日午後8時(現地時間)、シャン・ド・マルス公園(フランス・パリ)に設置された特設ビーチコートにて、パリ五輪の決勝トーナメント1回戦を迎えた。
決勝トーナメント1回戦の相手は、ブラジルのAna Patricia/Duda組。ワールドランキングナンバー1のペアで、本大会も第1シード、予選プールを3戦全勝で決勝トーナメントに臨んでいる。
石井/長谷川組はDudaにボールを集め、ディフェンスからゲームを組み立てようとしたが、得点は常に先行される。Duda のブロック、高さのあるAna Patriciaの強烈なスパイクが決まるとブラジルはノリはじめ、さらに攻撃力は増した。第1セットは15-21。第2セットも、ツーアタックやAna Patriciaにサーブの狙いを変えるなど、状況の打開を試みたが通用せず、16-21。セットカウント0-2で石井/長谷川組のパリでのパフォーマンスは終わった。
試合後、「ブラジルの実力を過大評価したところもあるが、結果が私たちの実力」と長谷川は話した。石井も「相手には意外とスキはあった。戦術も当たっていたし、もう少しいけた感じはある」と言う。事実、世界最高のオールラウンダーであるDudaのプレーをある程度封じた。しかし、それでも相手を上回れなかった。
フェイクブロックも通用せず、スパイクのパワーもコースもひとレベル違うボールが返ってきた。しかし、石井は「ただ、返せずとも多くのボールには触っていて、私たちのディフェンスの噛み合わせの良さをブラジルは嫌がっていたと思う」と自分たちの武器が機能していたとも話した。
ペアを結成しておよそ半年間、ビーチプロツアーやAVCアジア・コンチネンタルカップから厳しい試合の連続でここまでたどりついた石井/長谷川組。パリのアイコニックであるエッフェル塔のもとで2つの勝ち星を得た。
長谷川は「すばらしいロケーションでお客さんもいっぱいで応援もいっぱい。みんなで勝利を喜べたこともとても楽しかった。感無量です」と話す。
自身2回目の五輪出場で9位タイという成績を残したものの、試合直後に涙を見せていた石井は「今思うことは、本気で取り組んでこないと、この舞台には立てないということ。簡単だと思うかもしれないけど簡単なことではない」と言葉を絞り出した。
取材・文/小崎仁久
写真/FIVB
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