2025.02.15
ビーチバレーに携わる指導者のスキルアップを目指す「2024年度ビーチバレーボール指導者スキルアップ研修会②」が2月8日、神奈川県平塚市湘南ひらつかビーチパークで開催された。主催は、日本バレーボール協会(JVA)と日本ビーチバレーボール連盟(JBV)。
指導者向けの研修会がオフシーズンに開催されるようになって今年度で2年目。今年度は①が愛知のトヨタ自動車株式会社衣浦工場ビーチバレーボールコートにおいて12月7日、講師に青木晋平氏(トヨタ自動車ビーチバレーボール部コーチ)、山本新大(トヨタ自動車ビーチバレーボール部コーチ)氏を招いて行われた。
②は昨年度に続き、JVAビーチバレーボール強化委員の渥美善博氏が講師を務めた。参加者は島根、徳島から遠方からの参加者を含め、20名にのぼった。近い将来、国スポが開催される都道府県の指導者や、現役選手ながらも少しずつ指導の現場に携わり始めた関係者などの顔もあった。
今回は、事前に参加者から要望を受け付けた。オーバーハンドセット、フェイクレシーブの技術指導のポイント、低身長チームの戦術、ブロックとレシーブの関係性、球出しや運動強度の体験、ウォーミングアップ法など要望に応える流れで午前、午後にわたって催された。
講師の渥美氏は「昨年よりも参加人数が増え、今回は事前にリクエストされたので、ピンポイントで漏れなく伝えられたという手応えはありました。今後は、実践の講義だけではなく、座学を設けてもいいかもしれません。次回以降の課題として取り入れていきたいと思います」と述べた。
2030年に国スポ開催が予定されている島根では、島根県ビーチバレーボール連盟では、理事長職と女子強化を兼任する福原大樹氏が参加。その理由については、もう一度自身の指導論をリセットしたかったと話す。
「自分自身、選手時代はビーチバレーのアイデアや発想がいいと思って始めましたが、指導する立場になるとインドアとビーチ両方を指導しているとその棲み分けが難しいと感じています。例えば、新しい練習を取り入れて選手たちができなかったり、つまらなそうだったりすると、待てずにその場で答えを出して練習をやめてしまっていました。けれども、渥美講師から選手たち自身がなぜできないんだろう、と考える時間を設けることが上手につながると言葉をいただき、それがすごく刺さりました。いつの間にか自分にはそういう発想がなくなっていたので、参加してよかったと思いました」と振り返った。
まだ大会に出場しながらも、指導の現場に携わり始めたことで研修会に参加した関係者の中では、国内ツアーなどに出場している藤井桜子(立飛ホールディングス)氏の姿もあった。積極的に質問を投げかけていた藤井氏は、「選手の時はコーチに教えてもらう側。今回はコーチ側、逆の視点で見ることができました。練習をする時に風上、風下、どちらのサイドから練習したほうがいいのか、質問させていただいた。選手の立場であれば、苦手なサイドを克服したいと思うけれど、渥美講師は点数を簡単にとれるほうを多く体験するのもひとつだと教えていただいたことが参考になりました」と収穫を述べた。
全国各地においてまだまだ指導者の数が少ないと言われるビーチバレー界。かつてアマチュア選手として活動してきたが、今年度から指導に携わっていきたいという関係者は、「県内でも一生懸命取り組む学校も増えてきたが、近くに常設コートがある学校に限られているケースが多い。そうではなく県全体で取り組む学校が増えていくことがレベルアップにもつながっていく。そのためにも指導者を増やしていくことは急務」と現場の課題を話した。
スキルアップ研修会も昨年度よりも参加人数が増加し、需要もある。今後さらにビーチバレーの指導普及が拡大していくことを望みたい。
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