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佐賀が涙の初優勝。「JVA第24回全日本高校男子選手権大会」

2025.08.10

「ビーチバレージャパンジュニア JVA第24回全日本ビーチバレーボール高校男子選手権大会」が8月8日から10日、大阪府阪南市・箱作海水浴場ぴちぴちビーチで行われ全国47都道府県から開催地代表を含め合計48チームが出場した。初日、2日目ともに晴天に恵まれたが、最終日は近年では珍しく朝から強風に見舞われた。和歌山方面からコートに対して縦方向に吹くなか、準決勝2試合、3位決定戦、決勝戦が行われた。

 決勝まで勝ち上がったのは、宮崎の大村蓮音/大原理玖(ともに日章学園高)組と、佐賀の菰田颯太/立石大和(ともに佐賀商高)組。宮崎は平均身長184cmと今大会最高身長を誇る大型チームとして注目を集めながら、埼玉や岐阜などの堅実なプレーをするチームを倒してきた。準決勝では高い技術を持つ愛知の藤平優太/神谷琉斗組(ともに碧南工科高)との接戦を制した。

決勝戦(大原vs立石)

 佐賀は、昨年2年生ペアとして旋風を巻き起こし、地元開催となった佐賀国スポでも入賞が期待されたが、まさかの2回戦敗退。涙に暮れた経験を胸に「今年の目標は日本一。昨年は集中力が切れている場面もあったが、今年はプレッシャーがかかった中でも勝ち取れる練習をしてきた」と満を持して決勝戦まで勝ち上がってきた。

 実力伯仲の戦いが予想された決勝戦。第1セットは佐賀が強風の中でも抜群のボールコントロールでコート奥を狙ったショットやツー攻撃でディフェンス体系を崩していく。武器である高さを封じ込められた宮崎は終盤詰められず、第1セットは21-18と佐賀が制した。

 第2セットは逆に風下からのサーブポイントで得点を重ねた宮崎がリードを奪う。サーブで狙われていた身長186cmの大村の鋭い強打も決まり始め、第2セットは21-18と宮崎が奪取した。

ショットで攻める佐賀

 最終セットも両者一歩も譲らない展開。均衡した場面でも、佐賀のブロッカー・立石は大村の高さに負けない強気のプレーで渡り合う。「風がある中でも、自分たちは我慢して粘り強く1点につなげられた」と菰田。バッドサイドからでもなんとかボールを拾い上げ、縦横無尽にショットを繰り出し流れを引き寄せていく。宮崎も必死にボールに食らいつくが、攻略できないまま15-13でゲームセット。昨年の悔し涙はうれし涙へ。佐賀が初めてジュニアチャンピオンの座を掴んだ。 
 佐賀の小森優希監督は、「昨年よりも心も身体も強くなった。練習してきたことがかたちになってうれしい」と喜びをかみしめた。

 一方、敗れた宮崎は、今年6月から練習を始めたばかりのチーム。千葉の強化を担当してきた新城智仁氏が宮崎へ移住し、男子の強化担当に就任した。「春高初出場を狙う高校の両エースを送り出していただいた。時間はなかったけれども、すでにバレーの基礎がしっかりできていて非常にポテンシャルが高い」と新城監督。

 強豪がいるゾーンで勝ち抜き、試合を重ねるたびに成長の足跡を残していった。まだ2年生の大原は「自分が思っていた以上に力を出せた。ビーチバレーはきついし難しいけど、勝ったときは楽しい」と笑顔をのぞかせた。
 決勝戦後、悔し涙を見せた大村は「もっとレシーブ面を鍛えて国スポでは悔しさを晴らしたい」と健闘を誓った。

男子入賞チーム(愛知、佐賀、宮崎、兵庫)

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