2023.06.17
国内最高峰ツアーとなる「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023」の第4戦横浜赤レンガ倉庫大会2日目が6月17日、神奈川県横浜市赤レンガ倉庫特設コートで行われた。予選から勝ち上がった4チームとワイルドカードを含めた本戦チーム6チーム、合計男女各10チームが参戦。2日目は男女準々決勝、準決勝が行われた。
女子は東京オリンピック前までトッププレーヤーとして活動していた永田唯が、マイナビジャパンツアーの舞台に戻ってきた。
永田は、出産、子育てのため、2019シーズンをもって一度は前線を退いた。出産後、復帰を希望する選手は規定の手続きを行い2年以内に復帰すればオフィシャルポイントの復元は可能となる。今回はその制度を活かしポイントを復元、適用。ペアの浦田景子とともに堂々の本戦シード入りを果たし、4年ぶりのトップツアーに挑んだ。
永田は以前九州を拠点にしていたが、現在は2016年にいわて国体が開催された地・陸前高田で活動。高校生の強化に携わっているという。
「現在のツアーは素晴らしい場所で開催されているし、試合映像も配信もされたり、年々環境がよくなっている。試合を見ていてずっと戻りたいなという気持ちはあった。子育てと仕事をしている今の私にはまだ早いと思っていたけど、(浦田)景さんに誘っていただいたので、このチャンスをものにしたいと思った」
浦田/永田組は、大会初戦で村上礼華(ダイキアクシス)/橋本涼加(トヨタ自動車)組と対戦し、第1セットを奪取。結果的に1-2と敗れたが、永田はそつのないプレーとサウスポーとしての巧さを久しぶりに披露した。
「今はコーチ資格取得を目指しながら、高校生を国体に送り出すため強化のお手伝いしているけれど、まだまだできるうちは自分もやりたいと思っている。次は青森大会の出場を狙うため練習をがんばりたい」と意気込みを語った。
男子は、昨シーズン第2戦大洗大会で初優勝し旋風を巻き起こした黒川魁/福嶋晃介(ともにNTTコムウェア)組が、長谷川徳海/倉坂正人組を2-1で破り、今シーズン初の決勝進出を果たした。
第1戦5位、第2戦9位、第3戦3位と上位チーム相手に突破口を開けない状態が続いた。この試合でも第1セットを先取され追い込まれた。
「なかなかブレイクから得点ができずに苦しい状況だった。1セット目が終わった後、『勝ち筋、見えていますか?』と晃介に発破をかけられた。そのときはいっぱいいっぱいで感情的になったけれど、後輩にそんな言葉を言わせてしまい、自分が情けないと思った。しびれ切らして声をかけてくれた晃介に乗っかろうと思った」
第2セットから気持ちを切り替えて挑んだ黒川/福嶋組は、第2セットをもぎとり、第3セット目も意気消沈することなく踏ん張り続けた。
「このままいったら負けが続くシーズンになる、上位を倒さないと自信にもつながらないと思ったので、厳しい言葉を発してしまった。自分の想いを言わないで負けるよりは一回は言ってみようと思った。結果的に勝ちにつながった。魁さんがよく我慢してくれた。明日の決勝戦もどう戦うか今後のプレーにかかわってくると思う」と福嶋は、試合中のやりとりを振り返った。
男子決勝は、黒川/福嶋組と前回優勝の石島雄介(トヨタ自動車)/髙橋巧(ANAあきんど)組、女子決勝は長谷川暁子(NTTコムウェア)/坂口由里香(トーヨーメタル)組と村上/橋本組が対戦する。
撮影/平野敬久
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