2022.01.14
日本バレーボール協会(以下・JVA)は1月13日、東京都内で2021年度第7回定例理事会(以下・理事会)を開き、「ビーチバレーボール国際大会キャンセル申請における不適切処理処分」において、理事会で承認された処分内容の報告会見を行った。
前回の理事会報告会見において組織内で隠蔽があったことを認めた嶋岡健治JVA会長は、「違法行為を黙認した上で事実を隠蔽した。スポーツ団体としての信頼を損ない、社会からバレーボール関係者に対する失望や不信感が増幅されるなどの事態を招いた」という理由で、会長職は解職となり、理事も辞任勧告処分となった。
また、当時隠蔽にかかわった事務局長兼ビーチバレーボール事業本部本部長の髙野和弘氏、ビーチバレーボール事業本部副本部長兼ビーチバレーボール強化部長だった小田勝美氏が解職となり、元ハイパフォーマンス事業本部本部長で現在理事の鳥羽賢二氏は辞任勧告処分を受けた。
2020年12月4日当時、ビーチバレーボール事業本部本部長を務めていた紀伊良文氏は「第三者委員会の報告書にもあるように隠蔽の事実は共有されていたが、2019年の不適切処理の流れには関わっていない」(松下敬副会長)とのことで処分対象外。部下の監督不届きということで厳重注意を受けた。JVAはこの紀伊氏が、ビーチバレーボール事業本部本部長の代行を務めていくことを報告会見で公表した。
会長代行には、同日の理事会にて会長代行に河本宏子氏(東日本旅客鉄道株式会社社外取締役、株式会社ANA総合研究所顧問)、事務局長代行に村上成司氏が選任された。
JVA理事を3期務めてきた河本会長代行は、一連の不祥事について「理事としてさまざまな事象に対して意見を述べる立場にあり、これまで意見してきた。と言いながら、このようなことに至り、理事としての役割を果たしていなかったと深く受け止めている」と会見で述べた。
また松下副会長は「理事会が機能していないことに対し、大きく反省している。それはJVAの風土の問題だと考えている。隠蔽が組織として行われたのは、組織内で流れている仕事の仕組みだけではなく、組織の体質の問題。そこを一掃していくことが重要。第一線の現場で働いている方の意見や情報、組織の縦、横の角度からそれぞれ意見を吸い上げて足りないところに手を入れていきたい」と、これまでの体制に問題があったことを語った。
河本会長代行も今後JVAという組織を変えていくため 『風土』という点について強調した。 「第三者委員会の報告書の指摘にあったように、『責任体制明確ではないこと』『縦割り意識があってその中で仕事がおさまっていること』『人員のローテーションの問題』などがあった。そういった施策をひとつひとつ浸透させることによって組織風土を変えていきたい。一朝一夕にはできないかもしれないが、今回の厳しい状況を乗り越えて生まれ変わるチャンスととらえ、新体制の準備を進めていきたい」と述べた。
今後は河本会長代行、松下副会長、村上事務局長代行らを中心にJVA理事メンバー内に検討委員会を立ち上げるという。JVAの運営体制や組織機能、代表理事候補の検討し、3月17日の理事会承認を目指していく。
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◆処分内容
嶋岡健治
代表理事会長 解職、理事 辞任勧告処分、マーケティング事業本部本部長 解任
髙野和弘
業務執行理事 解職、理事 辞任勧告処分、事務局長・ビーチバレーボール事業本部本部長 解任
鳥羽賢二
理事 辞任勧告処分
小田勝美
ビーチバレーボール事業本部副本部長 解任
ビーチバレーボール強化部長 解任
補足1)2020年12月4日時点の役職
補足2)診断書偽造の隠蔽に関わった当時の鍛冶良則業務執行理事事務局長は本来処分対象となるが、すでに離職しているため対象外
補足3)小田氏の指示に従い診断書を作成した事務局職員1名の責任も重いものと判断し、就業規則に則り処分の手続きを進めているとのこと
写真/JVAオンライン報告会見の模様(左が河本会長代行、右が松下副会長)
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