2022.02.26
ビーチバレー選手・指導者・チームスタッフ向けの「オンライン ルール講習会」が2月18日(金)、日本バレーボール協会ビーチバレーボール事業部主催のもと、開催された。講習会は国際ルール基準の理解を促進し、選手・指導者・チームスタッフのスキル向上ならびに国内競技会における円滑な試合運営ならびに競技の発展が目的。ビーチバレーボール国際審判員の里見真理子氏を講師とし、2022年度のルールやメディカルアシスタンスプロトコール、その他ルールについて注意喚起を含め、講義が行われた。
このようなルール講習会は、2020年9月以来。講習会を主催した日本バレーボール協会ビーチバレーボール強化委員会委員長の牛尾正和氏は、「東京オリンピック以降に改正されたルールの理解を深めて競技力向上に活かしていってほしい」と参加者の前で趣旨を説明した。ここではいくつかの改正点や既存のルールの確認事項についてふれていく。
「ブロックの反則」
ブロッカーが相手チームのアタックヒットの前、またはそれと同時に、相手空間内にあるボールにふれると反則であったが、新ルールでは同時にふれることは反則ではない。
「スクリーン」
旧ルールでは、サービングチームの選手はサーバーおよびサービスボールのコースが相手チームに見えないように妨害することをスクリーンと呼んでいた。新ルールでは、サーバーではなく、サービスヒットとコースが相手チームに見えるのであれば、それはスクリーンとされない。
「ボールをプレーすること」
各チームはそれぞれの競技エリアとフリープレー空間の中でプレーし、場合によってはフリーゾーン外からボールを取り戻してもよい。新ルールではフリーゾーン外とその延長線上にあるスコアラーズテーブルの上方から取り戻してよいとされた。
「ダブルコンタクトの判定」
プレーヤーがボールにさわる際、両手がブレているかが基準となる。手が片方ずつ、ボールにさわると2回さわったとみなされ反則となる。
「キャッチの判定」
ボールにさわっている時間が長い(例:顎の下でボールを持ち、頭の上で離すなど)、手の中で一度止まってからボールが出される、ボールにふれた位置とボールを手から離した位置の方向が変わると反則となる。プレー中はクイックモーションになるため、続行されるケースもあるが、東京オリンピック以降は基準に準じて厳しく判定されている。
「アタックヒットの判定①」
アタックヒットは手のひら、手の甲(ポーキーショットなど)、指先(コブラショット)で明白に行う。コブラショットは、すべての指がくっついていなければ認められない。指を曲げて行うポーキーショットは、指の甲でヒットしていれば指が離れていてもそれは反則ではない。近年は、指の腹(親指含む)を使ってヒットするケースが見られるが、それは反則となる。
「アタックヒットの判定②」
近年、プレーヤー間でよく見られるオーバーハンドパスで相手コートにボールを返すプレーについて。両肩に直角ではない方向にボールを運んだ場合は反則となる。その場合、ジャンプした瞬間に空中で肩の方向を瞬時に変えて、ボールを送り出すプレーは反則となる。
「ハードドリブン(強打)の判定基準」
ハードドリブン(強打)に反応するレシーブ時にオーバーハンドを行う場合は、一時的にボールを長引いて接触してもよい。ハードドリブンかそうでないかは、ボールのスピード、相手のヒットからのレシーブ距離とその間テクニックを変える時間があるかで判断される。仮に打球が強くても準備できる距離があれば(例:ジャンプサーブなど)、オーバーハンドを成立させなければならない。
「メディカルアシスタンスプロトコール」
2020年以前は、とくにカテゴリー分けはされておらず、プレーヤーが要求すればメディカルタイムアウトは許可されていた。しかし、負傷をしていなくてもタイムアウト代わりにメディカルタイムアウトを要求するチームが増えてきたことで、2020年にルールを改正した。不正の防止ならびに試合中に本当に負傷をしたプレーヤーに適切な治療を施し安全を確保するため、それぞれの目的に沿ったタイムアウトが設定された。プレーヤーは目的を理解し、十分な注意を払う必要がある。
【メディカルタイムアウト】
・出血をともなう負傷。主審の許可があれば治療はいつも許可される。
【リカバリーインターラプションタイムアウト】
・外傷性の負傷。主審の許可があれば治療はいつも許可されるが、再治療はできない。
・各選手に1回は許可される試合の中断(下記)。
1)猛暑など厳しい気象条件下
2)トイレの使用
同一試合では1)2)両方は許可されない。
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