

2026.04.30
2026年4月。愛知県にひとつのビーチバレーのクラブチームが誕生した。その名は「BEACH TOKAI」。愛知県のビーチバレー強豪チームとして知られる東海中学・高等学校の選手、OBが母体となり、GMには監督だった富田譲氏が就任した。
これまで学校スポーツというフィールドでビーチバレーに取り組んできた富田氏は、なぜクラブチームを立ち上げたのか。その経緯といま、これからを聞いた。

設立に向けて
富田氏は迫る退職のときに備えて、およそ1年前から準備を始めていた。
まず初めに着手したのは、自分の後継者となる東海中学・高等学校ビーチバレーボール部の新顧問を探すことだった。しかし、最終的に学校内および外部コーチも含めて引き受けてくれる人材はいなかった。
顧問がいなければ、廃部となる。この時点で中高生含めて39人(高校生11人、中学生28人)が在籍していた。富田氏は「ビーチバレーをやりたい」と胸をワクワクさせながら入部してきた選手たちの想いをここで終わりにしたくないと思った。
そのためには「部活動」以外の新しい組織を築きあげる必要があった。そこで大きな味方となり助言をしてくれたのが、バレーボールOBの吉田綾氏だ。吉田氏は高校時代に愛知県選抜に選ばれ国体に出場した実績を持つ東海中学・高等学校の卒業生。現在は公認会計士およびファイナンシャルマネージャーとして活躍。富田氏が信頼を置く人物だった。

その吉田氏と話し合った結果、「特定非営利活動法人 BEACH TOKAI」を設立。 2025年に申請し、同年10月には認可が下りた。
2026年3月に富田氏が東海中・高等学校を退職し、4月からクラブチーム「BEACH TOKAI」の活動がスタート。設立代表者になった富田氏は、クラブ設立とともにもう一つ飽くなき挑戦を思い描いていた。
「これまでの10年は指導を中心にやってきましたが、『部』というかたちでつなぐことができなかった。それでも悔いはありません。これからは自分が指揮を執るよりも、指導の現場に立つ者を全力でサポートしていきたいと思いました」
これからの先の10年、20年を視野に入れ、「BEACH TOKAI」の監督には吉田氏が就任した。それでも現場を支える人材は不足していると考えた富田氏は、大学生になったOBたちにコーチングをお願いしている。

「恩返し」がしたい
その中でリーダー格が、2022年度卒業生で現在は上智大学2年の稲葉朔弥だ。稲葉は、大学でバレーボール部に所属はしていないが、プロコーチの指導を受けるなどビーチバレーに精を出しているという。「高校時代は、自由にやらせてもらえる環境で自分自身、成長することができたと思います。今は大学生として大会に出て結果を残したいという思いもありますが、地元に帰ったときは自分が教えられることを後輩たちに教えていきたい。恩返ししたいと考えています」
2024年に初めて高校選手権と国スポに出場した経験を持つ川端純も、同じ気持ちだ。
「自分は中学までバレーボールをやっていなかったけれど、『部活』というかたちを通じてビーチバレーに出会いました。今後、クラブチームになってどこまで興味を持ってもらえるか。そこは未知数だと思いますが、東海地方、『BEACH TOKAI』がビーチバレーで盛り上がるように貢献していきたいですね」
富田氏がこれまで育ててきた選手たちは、クラブとして自立した『BEACH TOKAI』を後押ししてくれる貴重な人材になりつつある。そして、未来に向かって第一歩を踏み出した。(第3回につづく)
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