

2026.10.03
「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」ビーチバレーボール競技の男子決勝・3位決定戦が10月3日、愛知県碧南市・碧南ビーチ緑地で行われた。日本男子の水町泰杜(トヨタ自動車/ウルフドッグス名古屋)/黒澤孝太(トヨタ自動車)組は3位決定戦でタイと対戦した。
アジアにおけるアジア選手権、アジア競技大会、アジア大陸予選ら日本男子が最終日に勝ち進んだのは、2012年アジア大陸予選以来。当時、代表チームメンバーの1人が現在、トヨタ自動車で水町/黒澤組のコーチを務める青木晋平氏だ。
あれから14年。それ以降、日本男子は日の目を見ることがない時代が続いたが、今大会では光明が差し込んだ。アジアでも大型化が定着する中、日本代表の水町/黒澤組は上背はなくとも決定力のあるアップテンポの攻撃を武器に最終日まで勝ち残ってみせた。そして、彼らにとってアジア競技大会初めてのメダルマッチへ挑んだ。
およそ1200席のスタンドが過去最高に埋め尽くされたこの日。第1セットは日本優勢でゲームが進んでいく。日本の速いテンポの移動攻撃に対し、タイはなかなかディフェンスを絞れない。サーブとブロックがかみ合い、ブレイクポイントを量産していった日本は21-18と第1セットを先取した。
第2セットも水町のサーブレシーブから黒澤の高さあるツータックで得点を決めていくが、「足が重くなってからはレセプションが崩れてきていた」と水町。思うように上がらない1本目を2本目、3本目で修正できなかった日本は、コンビミスからタイのブロックに捕まり、リードを奪われる。中盤離された得点差を埋めることができず、17-21と第2セットを奪われた。
泣いても笑ってもラストセットとなる第3セット。水町がサーブで崩され、苦しい体制からの攻撃をミスした日本は6-10と絶対絶命のピンチを迎える。しかし、「8-10でのタイムアウト、きつい時こそ基礎的なことをしっかりやっていこうと青木さんから話があった。その後、泰杜さんがギアを上げて全部決めてくれた」と黒澤。その言葉通り、機動力のあるタイのTipjanに狙いを定めた水町のジャンプフローターサーブから5連続ブレイクポイント、10-10と同点に追いつき11-10と、逆転に成功した。

観客のボルテージも最高潮。声援に後押しされるかのように流れを引き寄せた日本。黒澤がネット際でしっかりコースを塞ぎ、その先にはレシーバー・水町が待っている。上がったボールを黒澤がセッティングに入ると同時に、水町が助走に踏み込み強烈なスパイクを打ち込んでいく。得意の展開に持ち込み、14-12とマッチポイントを迎えた。
そして最後のポイントは、(ブロックタッチからの)ワン返し。「前(相手コート)を見たら2人ともいなかった。僕、ビーチバレー選手と言ってもいいですよね?(笑) 海外の試合を見てきてそういう技が身に付いてきた」と水町。正確なボールコントロールでスパイクしタイのコートにボールが落ちた瞬間、15-12と勝利が決まった。
整列した後、スタンド席を煽りながらコート1周した水町。「勝ったらやろうと思っていた。海外でも母国チームが勝った時はやばいほど盛り上がっていた。それを日本でも経験してもらいたくて意識的にやろうと決めていた」とにんまり。コート裏のミックスゾーンでは黒澤とともに涙を流し、銅メダル獲得の喜びを味わっていた。
写真/小崎仁久
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