若きビーチ魂の挑戦

出場選手インタビュー②小田涼太「髙橋巧選手のような選手になりたい」

2021.09.01

トップツアーの初めての試みとなる「アクティオ・ワイルドカード」が新設された「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021第2戦 平塚大会 ガラナ・アンタルチカ杯」が8月28日・29日、神奈川県平塚市・湘南ベルマーレひらつかビーチパークで開催された。「若きビーチ魂の挑戦」では、「アクティオ・ワイルドカード」で出場した選手たちに試合後にインタビューを行った。第2回は、日本体育大4年の小田涼太選手のインタビューをお届けする。

大分のバレーの名門・別府鶴見丘高時代からオールラウンドプレーヤーとして注目されてきた小田。日本体育大へ入学し、学内にビーチコート(2017年創設)があったことがビーチバレーに取り組むきっかけとなったと話す。「下級生のときはユニフォームが着られず練習量も足りなかったので、下半身のトレーニングもかねて練習後にビーチバレーの練習をしよう、と思いました」。この後、日本体育大はバレーボール部内に「ビーチバレーボールブロック」を設け、小田はインドアバレーとともにビーチバレーにも取り組むようになった。

2020年2月には、日本バレーボール協会主催で行われた海外強化合宿の参加メンバーにも選出され、同年の大学選手権では初優勝を手にした。今年も厳しいマークにあいながらも、堂々の2連覇を達成した。初めてビーチで日本一になったときから小田の心には、「ビーチバレーをやってみたい」という意志が芽生え始めていた。

インタビューに応える小田

──大学選手権のときに今後機会があれば、トップの大会に出てみたいとお話しされていました。今大会、ワイルドカードで出場できるということを聞いたとき、率直にどう思いましたか?
小田 これまで配信でトップの大会を見ることもあり、その大会に出ている方々と実際に試合ができると聞いてうれしかったですね。実際、格上の方々と試合するのは滅多にないことで、メンタル的にも初めて経験する部分がありました。今回、ワイルドカードを大学生チームに与えていただいたことで、試合を通じてこれからビーチバレーを続けていくにあたってどうしていけばいいか? などちょっとした構想をイメージすることができました。負けはしましたが、次につながる試合だったと思います。

──手応えがあったということでしょうか?
小田 そうですね。力を出し切れない部分もあってスパイクミスは多かったのですが、手にしっかり当てて打ったスパイクは、パワー勝負でも勝てた部分もありました。いま自分たちはインドアバレー中心にやっていてインドアのボールはビーチのボールより重いです。そういう意味で、ビーチでも打力という部分は発揮できたと感じています。

相手を観察して戦術を立てるのを得意とする

──小田選手は大学の大会では、視野の広さを活かしたクレバーなプレーが武器ですが、今回の試合ではその辺りはどうでしたか?
小田 せっかくプロの方とやらせていただくので、ハードヒットを中心にアピールしていきたいと思って試合に臨みました。いつもだったら、相手コートをよく見て空いているところにショットを打っていくのですが、今回はあえてショットは使いたくないと考えていました。それで少し打ち急ぎすぎてしまったというのがありました。試合を終えてみて、もう少し自分のよさを出してショットを仕掛けていってもよかったと、ちょっとだけ後悔しています。

──だから序盤はハイセットでつないで攻撃されていたんですね。
小田 はい。ただ最初はうまくいかなったので、1セットの終盤から2セット目にかけてパスをネットに寄せてセットを低くした状態で踏み込んでいくように修正していきました。大学選手権から期間も空き、8月中旬までインドアの合宿もあったので、ビーチでの感覚を思い出すことに集中して応用までいけなかったことは課題として残りました。

身長180cmのオールラウンダー(左が小田)

──プロチームとの技術的な部分で差はどんなところでしょうか?
小田 ディグの場面でいえば、相手の攻撃体勢が整っていないときはスパイカーをよく観察して相手の目がきれた瞬間、動いて簡単にディグできるのが大学のレベル。今回の試合ではレシーバーの自分が待ちきれなくて、相手に逆をつかれてしまい、足が動かなかったです。駆け引きのタイミングというところに差があったように思います。

──今後の目標をお聞かせください。
小田 今回は大きい舞台で試合をやらせていただくので、周りから自分たちのことを見てもらえるようにチームの持ち味を出そうと思って挑みましたが、それすら、させてもらえませんでした。逆にいえば、その差が足りない部分がわかったのが収穫なのですが、将来的に次に出場する機会がきたら、次こそは自分たちのよさをアピールしていきたい。そして、髙橋巧選手のような選手を目指してがんばっていきたいです。

将来、ビーチバレーに取り組みたいと話す

INTERVIEW/COLUMN、MOVIE、PHOTO GALLERY、
雑誌 BeachVolleyStyleの売り切れ号が電子版で読み放題!

BVStyle会員(有料会員)の
お申し込みはこちら